2月9日(土)
夜、新大久保『水族館』に平野教授のバンド『黒毛和牛』のライブを見に行く。
夕方から降り始めた雪が新大久保の駅に着く頃には少し積もっていた。とてもキレイだ。嬉しいナ。
平野教授とキーボードの香月さんと俺は随分長い付き合いの友達である。そして大きな声では言えないがあの2人は筋金入りの狂人である。
客席には常連さゆき嬢も来ていて嬉しかった。顔を見るなりセクハラ発言を繰り返した。彼女は顔面蒼白になっていたが、もうどうにも止まらないのだ。
友達のバンドがライブしてるのでノゾキに行こう!そんなリラックスした気持ちで顔を出したのだが、まったく持ってトンデモナイことになってしまった。
今日の彼らのライブは俺がここ数年色んなアーティストのライブを見た中で一番感激したライブだった。なんともはや一番ですよ、イチバン!こんなコトが一体全体信じられるでしょうか!
しかし俺の心は、心が望むモノだけを望むのだ。
彼らの演奏は胸の奥底まで染み渡った。ホントに素晴らしいライブだったんだよ。
序盤戦はのんびり進行してほのぼのライブだった。オリジナル曲もイイ曲ばかりで見ていて楽しい。メンバー同士で『間違えた』、『間違えない』で罵声を浴びせ、つかみ合いになる卑劣さもかなりナイス。活きのイイ地獄ムードが心地良い。
平野さんが大好きなボガンボスの『夢の中』という曲を演奏したのだが、これが凄かった。
この曲が持つ圧倒的なパワーもあるんだけど、演奏する黒毛和牛のみんなの楽しそうな顔、ひたむきな表情を見ていると何かが強く俺の胸に迫ってきた。
『この曲が好きだ!』、『演奏が楽しい!』その気持ちがステージの上を熱い気流となってグングン上昇し、きりもみ状に暴れ回る。みんな自然に声が出ている。全員が歌っている。一致団結の気持ちがものすごいグルーヴを生み出していた。
彼らは客席を圧倒していた。ステージ上はプロの舞台でも滅多に見るコトのできない幸せな一体感に包まれていた。
「これは、ゴスペルだな…。」
俺はなぜだか涙が溢れてきた。どうしようもなく泣けてきた。なぜ俺はこんなにも泣けてきたんだろう?
それはノックせずトイレのドアを開けたら、平野さんが和式でウンコしている後ろ姿を見たからなんだろうか?違うよ、見てねえよそんなモノ!
俺が垣間見たモノとは、言葉に出来ない、形のナイ大切なモノだ。それは音楽を一生懸命やり切る無垢な姿だ。
心に何の虚栄もなくひたすら一生懸命やってる人が出す音は必ず聞く者の心に届く。俺はビシビシに伝わった。
この夜の胸の高鳴りを言葉にするのはムツカシイ。だから言葉にするのはやめよう。黒毛和牛よ、素敵な夜に感謝するぜ!本当にありがとう!
終演後見に来てた人々に『あそこを間違えた、ここをミスした、すいません、スイマセン!』と汗をかいて謝罪行脚して回る平野教授を見て俺は度肝を抜かれた。
あれほど人を感動させておいて本人にはその自覚が全くナイみたいなのだ!何てことなんだよ!
いやはやホントにスゴイ人だ。やはりこの人は地球上の生物ではナイのかも知れない。そうだよ、きっと平野教授は宇宙人なのだ!
この都市伝説を証明する写真を俺は入手した(写真)。
関係者は誰もがひとめ見てこの写真の人物が平野教授に間違いナイと断定できるだろう。


今この瞬間からオレは勘違いを始める。
オレはブルーズマンの道を歩むことにした。
前から自分の中にブルーズの血が流れてるような気がしてたけど、角さんのおかげで自覚したよ。
頼む、一緒に歩んでくれないか?
近日中に高円寺駅前噴水あたりで緊急ミーティングしよう。
では。
高円寺の噴水には共に飛び込もう、寒波のうちに!