2014年04月12日

未来へススメ!

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4月7日(月)

渾身のライブを終えて帰宅した夜、俺はドッと脱力し、ゆるんだケツの穴から鳴り響くホラ貝のような屁を止める事ができなかった。

今日は仕事を終えてからのライブだったのでろくにモノを食っていない。俺は餓死寸前の臨死体験の中にいた。

「炭水化物でエネルギーを注入しなきゃナルマイよな…」

俺はノロノロと台所へ行き、具のない焼き飯を作った。ヒドイ見た目だったが、味付けにナンプラーを効かせたのでかなり美味しく仕上がった。俺はそれを無理矢理口の中にねじ込んだ。

それにしてもなんという疲労感なのだろうか。マジで身体がバラバラになりそうだ。明日の朝はこのまま永遠に目覚めないんじゃナイだろうか?そう思わずにはいられないほどクタクタだった。

「アッと言ったがこの世の別れ。サクッとポックリ死ぬのも悪かナイ〜。」

浪曲のようなダミ声で歌うようにつぶやいた。でもそんな風に思えるのは今日のライブが充実していたからだ。
悲観的な気持などこれっぽっちもナイ。俺はついさっきまで世界一しあわせな男だったのだから。

幸福な時間は一瞬限りで終わってしまう。そして、そのあとは目も当てられない現実が待ち受けている。
幸せな瞬間が過ぎ去る直前にストップモーションのボタンを押してほしい。明日なんて、もう、来なくていい。

46にもなってどうしようもなく思春期的なものの考え方だ。ぶっちゃけアキレ果てる。しかし自分はそういう資質の人間なのだから仕方がナイ。

「今を生きるってムツカシイな…」

浪曲ではなく今度はソプラノでつぶやいてみた。
でもね、それはムツカシイことではナイノダヨ。ただ「生きている実感」を熱く燃えながら感じるのがヒジョーに困難なだけなのだよ。

「バカのくせして小むづかしいへ理屈を並べてんじゃねーぜ!たかがロックじゃないか、気楽に乗れよ!」

バカのくせに云々は今、俺がつけた言葉だが「たかがロックじゃないか」のくだりはマークボランが発したセリフなのだ。演奏があまりにヒドすぎてドン引きしている客席に向かって苦しまぎれに彼が吐いた言葉らしい。

でもマークボランのこの言葉が俺は大好きだ。情けない人間の業を自ら肯定する切ない爽快感を感じる。とはいえT・レックスのライブ盤はホントにヨレヨレでヒドイんだけど…。


なんだかんだ言って、やっぱり自分は運が良かったのだなと思わない訳にはイカナイ。

夢はどこだ?生き甲斐はどこだ?とオロオロ逡巡する前に、右も左もわからぬガキの内から、自分にとって「コレがすべてだ!」と思えるものに出会えたのだから。

それはロックンロールだった。

そしてロックンロールは「ただやればイイ」だけの音楽だった。頭を使う必要もなく、100%身体だけを使って駆けずり回る反復運動だったからだ。サルでもできる音楽はこの世でロックンロールだけなんだよ。

「ナニ言ってんダヨ!それじゃ俺がただのバカみてーじゃねーか!」

俺は激して不服申し立てをした。なめんなよ、俺だって色々と考えて演ってンダヨ!

「やかましいぜ!虚勢を張るな!判ってるんだろ?オマエはマジバカなんだよ!」

ミットモナイ。この期におよんで見栄を張るなんて実にミットモナイ。今までの過去を振り返ってみろよ。悲しいくらいバカのオンパレードだったじゃないか。

「ううっ!ほ、ほっといてくれ!たのむ、部屋から出て行ってくれ。俺をひとりにさせてくれ!」

真夜中に激安アパートの中でブツブツ独り言をつぶやいている。自分でそれを止める事ができない。
誰もいない。出てってくれと頼まなくても、この部屋には俺以外、誰もいない。

頭を抱えてうめいていても、必ず明日はやって来る。否応なく未来はやって来るのだ。当たり前だよ、一日は24時間なんだから。判っちゃいるけど、それでも明日が来るのが死ぬほど怖い。

ちょっと待て。冷静になって思い出せ。キサマの未来とはロックンロールと寄りそう未来じゃなかったのか?それを忘れちゃいけないヨ。だったら過度に怯える必要なんてないんじゃナイのかい?

キャンディーズがいて、ビートルズがいて、マークボランやルーリードがいて、今ではももクロまでもがピッタリと寄りそっていてくれる。そんな未来ならば、まさにそれこそが希望に満ちた未来でなナイのかい?

恐れる必要などナイ。ひたすら突き進めば良いのだ。どんだけ歳を取っても、いくつになっても「未来」を夢見ていればイイのだ。

理屈ではない。ロックンロールとはただの反復なのだ。キッチリ準備してそれを続けていけばよいのだ。

とどのつまり自分にとって未来とは「次のライブの日」以外にはナイ。
そしてライブとは「みんなの笑顔」を指すのである。要するに未来とは、笑顔に満ちあふれた世界、ということになるのだ。

もしホントにそうだとしたら、俄然俺は燃えてくる。エネルギーがポシャるなんてあり得なくなる。

なぜならば、俺は一秒も休まず、笑顔に包まれた平和な世界だけを夢見て生きているのだから。
posted by ツリー at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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