
2月6日(水)
妹夫婦の家に行き昼食をご馳走して頂く。パエリアが激ウマ。ハタハタの煮付けも限界の美味しさである。ここぞとばかりに食べまくる。ごちそうさまでした。ありがとう!
2日続いてライブをしたら2kg体重が減ったがアッと言う間に元に戻った。
4ヶ月になった裕生はもう首が座っているので俺が抱いても問題はナイ。なのでしょっちゅう抱かせてもらっている。もー可愛くてしょうがない。この世のものとは思えん。まさしく天使だ。そうとしか言い様がナイ。メロメロになってしまった。
赤ん坊をこの手に抱くというのはスゴイことだと思う。今まで一度も経験したことがなかったしね。それにこの子は体重が重いんだ!(でもコロコロ大きいのがまたカワイイ!)
午後、妹の運転で堺の『ゴールデン・シティー』(だったっけ?)というでかいショッピングセンターに行く。
大きな吹き抜けが開放的な雰囲気を醸し出す。うーん、誰でもイイから突き落としたいな。でも休みの日に家族連れでブラブラするには最適な場所だと思うよ。
皆で裕生の服やら色々買い物して約2時間のんびりと過ごす。しあわせ。
晩ご飯は大好物、カキの炊き込みご飯!死霊に取りつかれたようにガツガツ食べる。信じられないドリーム味だ。こういう時、自分がギャル曽根だったらなぁと思う。いつまでも食べ続けたい。
夜は実家に妹の旦那様も立ち寄ってくれて夕食を食べて帰る。
「義兄さん、今日は2月6日、いわゆる『フロの日』でっせ!」
義弟のささやきに俺は瞳の色を邪悪に輝かせた。
「ほほう、『フロの日』かね?それはタマらないフェスだよな!」
「ええ、義兄さん、そうでんねん。その通りでんねん。」
我々は旨味のある利権にむさぼりついたヤクザのような表情で笑いあった。実はこの義兄弟、二人とも大の銭湯フリークなのである。
『日本から家風呂を叩き出せ!』というスローガンの下、日々街宣活動にいそしむ急進的国粋銭湯主義者なのだ。
「銭湯があと200円安かったらもう家に風呂なんか要りまへんな!」
「まったく持ってその通りだよ、キミ!今この国をメチャクチャにしている元凶はナニかね?家風呂だよ!あんなモノこの国に必要ないよ!日本人の暮らしぶりを明治時代くらいに戻そうよ!それがこの国のためだ!さあ銭湯に行くんだ!」
俺達はテーブルをひっくり返し戦闘服に着替え、風呂へ行く準備を始めた。鬼畜・家風呂!男ならトコトン銭湯を目指せ!二人の鼻息はビュービューに荒かった。
「何を言うとるんや!アンタ、今夜は裕生を風呂に入れな殺すど!」
妹のドスの効いたシャウトが響き渡った。絶対に抵抗できない力強さにみなぎっていた。『マレーの虎』山下大将なみの威厳だった。
「ハ、ハイ、ワカリマシタ…。」
義弟は縮み上がった。どうやら今宵は家のお風呂で赤ちゃんと入らなきゃイケナイみたいだネ。デモ仕方ナイよな、裕ちゃんのタメだもんね!
妹一家が帰り、母と二人でBSで再放送の『冬のソナタ』を見る。俺には初『冬ソナ』である。
「日本語の吹き替えには虫酸が走るわ!」
母はぺ・ヨンジュンが日本語をしゃべるのが我慢できないらしい。俺は吹き替えをあまり気にしないタチだ。ジュード・ロウがバカボンのパパの声だったら困るかな、ぐらいのモノである。
しかしお陰で字幕ナシの韓国語だけの『冬ソナ』を1時間みっちり見た。
果たして俺の初『冬ソナ』体験はどうだったのか?
答は号泣だよ、真実の感動だよ、のめり込みだよ!
ひと言も意味がワカラナイ分、勝手に空想を膨らませ、頭の中でセリフを付けてたらナンカ感動してしまった。もう胸が高鳴ってどうにもナラナクなった。
とにかくショートカットのチェ・ジュウはこの世で一番清らかで美しい女性だ。俺の妻になるべく生まれてきた女性だ。チェよ、お前はそれを知っていたんだろ?
11時からNHKで忌野清志郎の特番を見る。声のトーンやハリが全然落ちてない。素晴らしいパフォーマンスだった。スーパーマンみたいな人だね。もっと昔の曲も聞きたかった。でも30分番組だから仕方ないよな。
『それで君を呼んだのに』や『まぼろし』や『山のふもとで犬と暮らしている』なんて曲が俺は好きだ。でもそんなのテレビで演る訳ナイよね。
キヨシローが終わり、母とアイコンタクト。さあレッツゴー『2・6(フ・ロ)の日』!角森親子は今宵も銭湯に繰り出す。義弟の分も堪能せねばナラナイ義務が俺にはアルのだ!トコトン入浴、あーイイ気持ち!
母もたいそうご満悦で我が家に戻る。しかしよほど気持ち良かったのだろう、頭が放心していたのであろう、母は風呂屋の黄色い洗面器を家にまで持ち帰っていた。
「ひえ〜、全然気ィつかへんかったわ!ワッハッハッ〜ッ、これは愉快、愉快!」
母は略奪の限りを尽くしておきながら果てしなく爆笑し続けた。ホントにあっぱれな人だ。