
3月22日(木)
先日の早出の際、寝過ごしてしまい会社でバツの悪い思いをした。
だから今日は気合いを入れて早めに出勤スルゼと思ってたら妙にキンチョーして眠れなくなった(←小さい男)。
しょーがないので4時を過ぎてから食事の支度を始め弁当を作り、洗濯をしてからお風呂に入った。
寝癖大爆発を防ぐため髪を乾かし、『さあ寝るゾ!』と息巻いたが時すでに遅し。ギンギンに目が冴えて、とても眠れる状態ではナイ。
ポコチンがギンギンならばニッコリ笑ってVサインだが、そうではない。
ポコチンだけは熟睡していた。
俺の精神年齢は16歳だがポコチン年齢は80歳である。やんぬるかな。
眠らないとマズイ。しかしこんな時間に寝たら起きられナイ。非常に困ったコトになってしまった。
俺はチラチラと日本酒のビンを見始めた。
「オイオイ絶対にやめてくれよな!今から飲んでノリノリになったらオメエにゃセーブできないぜ!」
俺は一度ハートに火がつくとトコトンワイルドになる男なんだ。
一升瓶片手にわめきながら町内を練り歩くひとりサンバカーニバルなんだ。
俺は大人の自制心を見せつけベッドにもぐり込んだ。最初からおとなしく寝てりゃイイんだよ!
いつの間にかウトウトしてきた。そして、その途端、目覚ましが鳴り響いた。何というコトなんだよ?体内時計的には数分しか眠っていないぜ。俺の精神のイチバン奥深い所がビリビリに引き裂かれちまう!
「どんな拷問にも耐えてみせる!でもこれだけは無理なんだ!」
俺は目覚まし時計をつかむと思いきり窓の外へ放り投げた。
しかしながら苦労の甲斐あって早く会社に着くことができた。
自分を奮い立たせるため電車に乗っている間からずっとキャンディーズを聞いていた。
会社のエレベーターに乗り、さすがにもう音楽は止めなきゃとヘッドホンをハズす。ものすごい大音量が外にモレていて周囲に丸聞こえだ。俺はビビってしまった。
『ううっ、40前のオヤジが朝イチでキャンディーズを聞いてるのがバレちまう!うだつの上がらない感じが強すぎる絵ヅラじゃないか!』
あわててカバンの中のウォークマンを探すがアセッテいるので見つからない。
『♪暑中ぅ〜お見舞い申し上げます〜♪』
俺の狼狽など知らん顔でキャンディーズは叫び狂っている。エレベーターの中は水を打ったように静まりかえり、人々は俺に冷たい視線を投げかけている。
「…す、すいません、すいません。」
俺は汗だくになってカバンの中を引っ掻き回す。ウォークマンはどこにあるんだよ!俺は錯乱しヒステリーを起しそうになった。エレベーターが止まると逃げるように駆け出した。だってみんなが俺をニラむんだもん!耐エラレナイヨ!
今朝も初っ端から精根尽き果てた。しかし負ケテタマルカヨ!今日も一日ガンバルゾ!
そして戦いすんで日が暮れて、今宵も家に帰ってきた。晩ご飯を食べてホッと一息。お茶を飲みつつ、治療放棄の奥歯をつまようじでシーシーする。
「いやはや、それにしてもまったく…。」
俺は自慢のチョビ髭をさすりながら独り言をつぶやく。
「生きるってホント大変だなぁ…。どんなに逃げても、手を変え品を変えモーレツな往復ビンタはやってくるだもんナァ…。」
そんなビンタの嵐から身を守る術はアルのだろうか?もはや慣れるしかナイのだろうか?
心配事や悩み事を取り除くにはどうしたらイイんだろう。
つまようじで歯クソをシーシーほじり取るようにはイカナイもんだナ。そんなのアタリマエだぜ。
『♪早くあなたに会いたくてぇ時計を逆さに回してまぁ〜すぅ♪』
テレビの中ではランちゃんが今日も健気に歌っている。愛らしい笑顔である。
俺は観念してウクレレを手に取ると、この曲を一緒に歌い始めた。
オクターブ下で歌うのでドスの効いた声がなんとも耳障りである。ホント俺の声は悪声だなと思う。
そうではあるけれど音楽は素晴らしく、俺の唯一の嵐からの隠れ場所であることに変わりはない。