2006年11月19日

いつまでも続く恋

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11月18日(土)


朝4時だというのに、睡魔はやってくる気配すらなかった。7時半には起きなくてはならない。あと3時間半しかない。


俺は冷汗をかきながら座禅を組む。心を無にして自らを眠りへといざなうのだ。静かに目を閉じ瞑想に入る。


しかしやっぱりイカガワシイ女どもが全裸で現われてきた。ハレンチ極まりない誘惑を俺にブチかましてくる。

「たいがいにしやがれ!このドキチ〇イどもが!」

俺は怒号を発し立ち上がる。清らかな俺の瞑想を汚す女というものを俺は絶対に許さない。


「てへへ、こんなコトもあろうかと思いましてね、あっしはコイツを用意してたんでゲスよ。」

急に卑屈な口調で独り言を言うと、俺は冷蔵庫から2リットルの徳用日本酒を取り出した。

「コイツをキュッと一杯頂きヤシテネ、後はコテンとバタンキューでゲスよ!」

人間は追い詰められるとトコトンまで卑屈になるものらしい。


コップ酒をナミナミと2杯連続でイッキ飲みする。熱いものが五臓六腑にしみわたる。

「プハァーッ、うまい!ホロリと酔った!悩みが全部消えた!俺は人間を愛している。そして人生を謳歌シテイル。殺意はもうナイゾ。ラヴィアンローズ!」

わめき散らしながら3杯目をグラスにそそぐ。魅惑の液体が俺の導火線に火をつけた。

「しかしここまでだゾ!もうすぐ起きなきゃイケナイんだ。俺には仕事が待っているんだ!」

真摯な態度でグラスを飲み干す。たまに飲むと日本酒はウメエなあ。

「人間は独りでは生きられない。そして今、俺のそばには酒がいてくれる。」

4杯目を注ぎ、瞬時に飲み干す。

突然シクシクと泣き出す。

「俺はどうしてこうもダメなんだ。才能のカケラもありゃしねえ!」

秒殺で5杯目が消える。

「うぉーっ、ランちゃん、水谷豊と離婚してくれッ!」

6杯目もイッキ飲み。

ベランダに出て意味不明の言葉を絶叫する。8杯目までは覚えているが、それ以降は記憶がない。

やがて昏倒し豚のように眠りこけた。そして夢の中にランちゃんが出てきた。


俺は半ズボンの小学生でランちゃんはまだキャンディーズだった。

セビア色の夢の中、俺はニコニコしながらじっとランちゃんを見つめていた。『こんなきれいな人はこの世に二人といないよな。』そう思って見とれていた。

深い深い愛情と敬慕の念。

そんな清らかな感情に半ズボン少年は押し潰しそうになっていた。

『どうかこのまま時間が止まってくれないかなぁ。いつまでもランちゃんのそばにいれたらイイのになぁ…。』

少年は切なくてベソをかいた。頭の中に『やさしい悪魔』のイントロが流れてきた。


朝7時半。目覚ましは正確に鳴り響いた。耳をつんざくような轟音だった。


1時間後、俺は何ごともなかったようにネクタイを締め、通勤電車にゆられていた。さっぱりとヒゲを剃り、ごく自然に朝の風景に溶け込んでいた。今日もまた頑張ればいいのだ。なにも心配しなくていいんだよ…。


角森隆浩38歳。そして伊藤蘭51歳。

平成18年11月18日はこうして始まり、そしてアッと言う間に終わった。
posted by ツリー at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする